これから、学校では(スイセンの巻)
底冷えする寒さには閉口しますが、寒さにも負けずと咲く花があります、例えばスイセン。寒い季節に彩りを添えてくれます。
このスイセンですが漢字では「水仙」と書きます。そして、この水仙は中国から来た言葉のようです。
「仙人は、天にあるものは天仙、地にあるものは地仙、水にあるものは水仙(である)」という中国の古典に由来しています。
また、スイセンの仲間は約30種類あります。学名は「ナルキッソス」で、これはギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソス(Narcissus)に由来します。美少年だったナルキッソスは自分の美しさに見とれ、池の水面に映る自分の姿に恋をし、しばしば見とれていました。そんなナルキッソスを戒めようと、女神ネメシスは彼をスイセンに変えてしまいました。この話はナルシスト(ナルシシスト)の語源にもなっており、スイセンの花言葉は「自己愛」になっています。
高等部棟の前庭に咲き始めました。
早春に咲くことで知られており、その純白の花弁と豊かな香りで多くの人々に愛されています。また、スイセンの花は再生や新しい始まりの象徴とされています。
新しい始まりを予感するには、うってつけの花のようです。なお、心理学では「フレッシュスタート効果」と言います。
おまけ 太宰 治(だざい おさむ)の短編小説「富嶽百景(ふがくひゃっけい)」にスイセンが重要なシンボルとして登場します。作中の主人公は、スイセンの美しさに惹かれ、その姿に感銘を受けます。しかし、スイセンの美しさは同時に孤独や自己陶酔をも表しており、主人公自身の内面的な苦悩や孤独感と共鳴する部分があります。このように、スイセンは単なる花として描かれるのではなく、主人公の心の状態を映し出す鏡としての役割を果たしています。なお、太宰の出身地である青森県は、冬型の気圧配置が年末年始続いて、上空の強い寒気や気圧の谷の影響で大雪となり、平年よりかなり降雪量と最深積雪が多いようです。