今、学校では「薔薇の木にの巻」
立夏を過ぎ、高等部棟の学級園にばらの花を見つけました。ばらの季語は夏で、今からが盛りのようです。
そんな時に、ふと北原白秋の短い詩を思い出しました。
「薔薇(ばら)二曲」
一 薔薇(ばら)ノ木ニ 薔薇ノ花サク。
ナニゴトノ不思議ナケレド。
二 薔薇ノ花。
ナニゴトノ不思議ナケレド。
照リ極マレバ木ヨリコボルル。
光リコボルル。
北原白秋 詩集『白金之独楽』(1914年)より
短い詩だけに、いろいろな解釈をされていると思いますが、
私は、「何の変哲もない当たり前の日々でも、見る側の心の状態によって、深い感動を生むこともある」ということを言いたいのではと思います。
良く気持ちが高揚しているときは、当たり前のものを見ても涙をこぼすこともあります。
そして、昨日と同じ光景を目にしても、深く心に迫ってくる、そんな経験を誰しもあるかと思います。
また、北原白秋は、詩文評論の中で、以下のように 評しています。
「この何の不思議もない当然のことを見過ごしてしまふ人は禍である。
実に驚嘆すべき一大事実ではないか。この神秘はどこから来る。
この驚きを驚きとする心からこそ宗教も哲学も詩歌も自然科学も
生まれてくるのではないか。この真理。この顕現。」
見過ごしてしまう人間は禍であると、言い切ってしまうところに北原白秋らしさがあるのでしょうか。
何気なく過ごしている毎日に、いくつもの発見や驚きを見逃しているような気がします。
慌ただしく過ぎていく毎日ではありますが、その毎日に子供たちの成長を全身全霊で受け止めたいと思いを新たにした次第です(決して心に棘はありません)。
おまけ:通学区域である伊奈町の町制施行記念公園では、400種5,000株のバラが咲き誇る県内最大のバラ園で、
5月3日(金)〜31日(金)に「2024バラまつり」を開催しています。